「私」の愛・地球博

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2005年4月8日付「『私』の愛・地球博」より)。

【2005年という時代を反映して】

《開会式》に関する箇条書き

 2005年3月24日、木曜日午後、『愛・地球博』の開会式をNHKハイビジョン放送で見る。会場は、EXPOドーム。ステージには菜の花が敷き詰められている。背景は白の色調。天皇陛下、内閣総理大臣の小泉首相、財団法人2005年日本国際博覧会協会会長の豊田章一郎氏の祝辞あり。紙吹雪が舞い、その紙吹雪には、菜の花の種が一粒ずつ封入されていたという。オーケストラの演奏、蝶々やテントウ虫、蟻などの可愛らしい虫の恰好をした子供たちのパフォーマンス、石川県輪島の和太鼓、クラシックバレエによる『火の鳥』。さらには、トウモロコシ一粒を栽培するのに、水がどれだけ必要かという寸劇、歌舞伎と狂言のコラボレーション寸劇、など。3部構成。

万博テーマに関する箇条書き

【自然】 1.人為によらないでこの世に存在する、すべての物や現象。森羅万象。天地万物。 2.人為によらない、そのもの本来の状態であること。天然。
【英知(叡知)】 1.すぐれて深い知恵、高い知性。 2.哲学で(最高の)認識能力。intelligenceの訳語。「英知」は代用表記。
※『明鏡国語辞典』[初版](大修館書店)
【自然】 1.天体・山川草木・動物など、人間社会を取り巻くもの。〔狭義では人間(の営み)と対立し、広義では、人間(の所産)を含む〕
※『新明解国語辞典』[第六版](三省堂)
【intelligence】 知能、知力;理解力、物わかりのよさ、聡明さ
【wisdom】 1.知恵、賢明さ 2.知識、学識、学問

ある一つの想念記

 人間には、全人類、全地球、全宇宙を支配しようという欲望=傲りがある。もし太陽系を越えた向こうにある、星々のうちの惑星人が、地球人とコンタクトをとろうとすれば、人間は「人」から「人」へという、地球では当たり前の伝達手段で、交渉を図るだろう。
 しかし、もう一つの側面にある現実は、容赦ないものだ。人間は、この地球上の生物の、一つの種に過ぎないという現実である。そしてまた、この地球上の人類のように、こうした機能と外形を持ち合わせた人類というものが、太陽系外の惑星に存在するかどうかさえ疑問だ。もし全宇宙を支配しようとするならば、この全宇宙の宇宙生物と対等に対話ができる、万能手段を持ち合わせなければならないのだ。
 人間は、人と人というコミュニケーション以外にも、人と地球というコミュニケーションをしなければならない。それは、地球を愛するという心の問題、自他の命を愛するという生命と生き方の問題である。我々は今、そういう時代に直面していると思う。地球を愛するという心を、ようやく知った。だが、地球は、遙か以前から、我々人間を、この大地の上で見守ってきたのではないのか。いや、そう思いたい。地球とのコミュニケーションは、全人類が現実感を持って臨まなければならないセンシティブな作業なはずである。

まだ見ぬ愛・地球博

 万博に来てパビリオンを見て回るという楽しみ方の他に、「遊びと参加ゾーン」を回る楽しみ方もあった。
 会場内で働くロボットたちを身近に体感できる「ロボットステーション」、NPOやNGOの市民参加プログラム「地球市民村」、期間限定プログラム構成の「モリゾー・キッコロメッセ」、森林で自然との調和を知ることのできる自然体感プログラム「グローイングヴィレッジ」や「森の自然学校」、その他アーティストによる作品出展、EXPOドームとホールによる様々なイベントなど。
 愛・地球博は、それぞれが目的を持って会場に訪れることで、テーマに則した様々なイベントを楽しむことができたのだ。私は最初から、この愛・地球博ではデジタルカメラを用いて、会場内を行き交う人たちを撮り、各パビリオン内を観覧する人たちを、意識してフレームに入れてシャッターを切った。万博である限り、そこに人間がいなければならない、人間こそ記録すべきである、と私は考えたのだ。
 テーマである「自然の叡智」、サブテーマの「宇宙、生命と情報」「人生の“わざ”と智恵」「循環型社会」は、日頃何気なく気にかけている事柄だと思う。ここで結論を出そうというのではなく、やはりそれらのテーマについては、これからも“気にかけて”いきたい。そして知っていきたい。
 人間はいまだ、戦争(地域間紛争)という愚かな側面から逃れることができないでいる。テロリズムを恐れ阻止する一方で、その阻止政治勢力がかえって火種を生むこともある。その多くは、見知らぬ相手への警戒心である。人間同士が争っている間にも、地球の寿命が確実に縮まっていることを忘れてはならないと思う。野に咲く花から学びたい。海に生きるものから学びたい。空に羽ばたく鳥たちは、我々人間の進むべき先を、きっと教えてくれるはずだ。

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