国立科学博物館『大哺乳類展―海のなかまたち』

※以下は、拙著旧ブログのテクスト再録([Kotto Blog]2010年8月31日付「国立科学博物館『大哺乳類展―海のなかまたち』」より)。

国立科学博物館正面
 大人にとっては何の関係もない8月31日=夏休みの最終日、東京・上野の国立科学博物館での特別展『大哺乳類展―海のなかまたち』を訪れました。子供連れの家族をはじめ、大人も子供もなかなか大勢いて大盛況の様子でした。今日訪れていた子供達は、学校の宿題もすべてはかばかしく終えて、あとは絵日記の最終日をこの科博で見たクジラの絵で埋め尽くせば完璧、といった余裕派なのでしょう。ともかく今回の特別展は、夏休み中の子供らが満足するぴったりの展示であったと思います。

シロナガスクジラの骨格
 今回の見物は、なんといっても巨大なシロナガスクジラの骨格(複製)。全長25メートルということで、やはり迫力が違います。こういう巨大な哺乳類が海を漂っていると考えると、海の多様性は想像以上であるということがわかります。クジラの種や生態についてもまだまだ謎の部分が多いようです。

 それにしても科博は広い。個別の特別展のほか、常設展は地球館と日本館とに分けられ、それこそすべてを見歩けばヘトヘトになるほど展示がたくさんあります。科博の大ファンである私は、子供の頃からここに通っているわけですが、展示の質と量が年々進化しているといった感じで、科博の成長にも愛おしさを覚えます。

 以下、私の旧サイト[Photos Symphony]から短いエッセイを再録します。

〈そこは光と影を調和した宇宙的空間である。本館の改修工事を横目に通り過ぎ、旧みどり館の入り口から抜け、新館へと入っていく。地下3階、地上3階の膨大な資料を展示した科学博物館は、すっかり生まれ変わっていた。光と影のアートの世界。それ全体が大きな作品になっているかのように。自分の興味ある展示へ、順路という規律を極力排除し、自由に空間内を移動して観覧できる。まったく好奇心をかき立てられ、知の欲求も満たしてくれるものだ〉
(2005.9.3)

〈サイエンスか? アートか? 博物館学の進化の過程を、我々は見ていることになる。小学生の頃、本館の入り口で巨大な恐竜の復元骨格を見上げてから、20年以上が経った。私はまだ、というよりこれからも、東京・上野に足を運び、この科学博物館を訪れるだろう。ここではすべての《モノ》がアートである。光に照らされて浮かび上がった《モノ》は、それがたとえミラーに映った自分自身であっても、アルケオロジーのアートである。では一体、アートとは何だろうか。訪れた子供が、昆虫の標本を見つけて驚嘆する。それがアートである。と、私は思う。かつて生きていた《モノ》たち。人の手にあって活用されていた《モノ》たち。私は昆虫を見ても、子供のように驚嘆はしない。しかし、その昆虫標本が光に照らされて、目の前に在ることに、私は驚嘆する〉
(2005.9.3)

海の生き物と昆虫の展示
 もし、首都圏に在住の小学生のお子さんのいる家庭で、まだ上野の国立科学博物館を一度も訪れていない方は、是非ともここに訪れて欲しいと思います。

 できれば何度も。

 大雑把に言い切ってしまえば、この博物館では、地球と人類のワクワクするような面白いことが誰でも発見できるでしょう。子供達の思いがけない笑顔に出合えること請け合いです。

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