スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

1月, 2004の投稿を表示しています

☞最新の投稿

お茶とサブ・カルチャーのアーティクル〈八〉

前回はmas氏のライカと新宿の話。当ブログ「お茶とサブ・カルチャーのアーティクル」のシリーズは数えると今回で8回目である。これは私自身の、カメラと写真を軸とした“素行”を紐解く重要な鍵としての(「茶」の精神と絡めたりして)、過去に読み耽ったウェブサイトにまつわる“回想録抄記”となっている。  いま私は、自主制作映画というスタンスで、“ちっちゃな映画”(タイトルは『アヒルの狂想曲』)を本気で創り始めているのだけれど、その“ちっちゃな映画”的なものをかつて創ろうとしていたのが、サブカルで私淑するmas氏だったのだ。私は彼の影響を(ウェブとサブカルの側面で)多大に受けている。mas氏は90年代末頃、アメリカの写真家デュアン・マイケルズ(ドウェイン・マイケルズ、Duane Michals)に感化され、自身のカメラで撮影した散歩写真を掻き集め、一つのフォト・ストーリー作品を創ろうとしていたのだった。タイトルは、「My Last Pictures」であった。
 いま、“ちっちゃな映画”を創り始めた矢先、私はmas氏のウェブサイトをあらためて思い出す。そこにはサブカルへの深い愛着があった。彼は2000年代初め、自身のホームページ上のアーティクルにその映画創りの話を持ち込んで、読み人であった私にある種の熱量を注ぎ込んだのである。カメラとレンズと、そのアクセサリーを満遍なく揃えること。たっぷりと落ち着いた風情で世界を見わたし、その風景に己の足で大きく踏み出すこと。人生の最大の《余興》であり得るのが、映画ではないかということ――。
§
 とても残念なことに、「My Last Pictures」のフォト・ストーリーのテクストも、そのウェブサイト自体も、今は現存していない(ただし、テクストは私個人がアーカイヴしてある)。それでも今年、彼の別のサイト[msbcsnb](http://www.geocities.ws/msbcsnb/index-2.html)がWWWのサーバー上に残っているのを発見して、今のところそれは、誰でも見ることができるようになっている(いずれ消えてしまう可能性がある)。更新は10年以上前を最後に途絶えてしまっているが、mas氏がそこに残した、旅行記や家族を写した写真、花などのフォト・ギャラリーとなっており、2000年代に作成したウェブサイトの一端を垣間見ることができ…

ラ・ギャラクティカのこと

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2004年「ラ・ギャラクティカのこと」より)。
 私はプロレスが好きだった。今でこそ見る機会がなくなったが、相当プロレスにのめり込んでいた時代があった。
 プロレスが格闘技と合わせ鏡になる以前のプロレス――いわゆる「昭和のプロレス」――が、私は好きだ。  すなわち、女子プロレスである。神取忍の時代でもなければ、クラッシュギャルズ全盛時代やビューティペアの時代でもない。  小柄な白覆面レスラー「ラ・ギャラクティカ」のことである。私は不意に、ラ・ギャラクティカのことを思い出した。おそらく彼女は、南米人ではなかったか。
 日本におけるラ・ギャラクティカの最大のライバルといえば、ジャガー横田だろう。  ジャガー横田は、昭和56年2月25日、王者・ジャッキー佐藤を破り、第29代WWWA世界選手権者となる。その後、ジャガー横田は、ベギー・リー、ダイアン・ホフマン、ジュディー・マーチン、モンスター・リッパー、デビル雅美らの挑戦を退ける。  さらに、ウェンディー・リヒーター、マスクド・ユウを破り、通算7度のWWWA世界王座防衛に成功する。
 昭和58年5月7日、神奈川・川崎体育館にて、ジャガー横田は、WWWA世界選手権並びに、髪切り・覆面剥ぎデスマッチ(女子では初)として、ラ・ギャラクティカ戦を迎える。ジャガーが負ければその場で髪を切り、ギャラクティカが負ければ、覆面を脱がなければならないのだ。
 しかしジャガーは、強敵ギャラクティカに破れる。王座を失い、髪も切られる。ギャラクティカは、白覆面を流血の赤に染め上げ、ジャガーとの死闘を見事なまでに演じた。
 翌月には、再びジャガーとギャラクティカが相対峙。そしてジャガーが王座に返り咲くわけだが、この後、女子プロレスの時代は、若手だったクラッシュギャルズ(長与千種とライオネス飛鳥)が台頭し、極悪同盟・ダンプ松本らとの日本人対決が主流となっていく。いわゆる「クラッシュ・ブーム」だ。  つまり、「日本人対外国人」というイデオロギーの構図は、ジャガー横田売り出しの千両役者となった、ラ・ギャラクティカあたりの試合が晩年期となり、以後、外人レスラーが日本国内において、大きな選手権試合に名を連ねる機会は激減する。出稼ぎ外国人女子レスラーは、大きな檜舞台を失ったことになる。
 何…